何かを成し遂げるために必要なこと――。それがどんなことかと言うと、「あらゆる手を打つ」ことです。
このことを知っている人は、たくさんいたとしても、肝に命じているかどうかと言うと、怪しいところです。それをするかしないかは、結果に対して大きな影響を与えます。
あらゆる手を打つと肝に命じていれば、ジタバタしません。1つやってうまくいかなかったとしても、「ほかの手を考えればいい」と、割り切ることができます。
「うまくいかなかった」「失敗した」「ショックだ」……
そんなふうに落ち込むことがありません。「落ち込むヒマがない」と言ったほうが正確です。
次に打つ手を考えなければならないし、またそれを次々と実行しなければなりません。落ち込んでなんかいられなくなります。
「あらゆる手を打つ」と決めているから、1つ1つの結果に一喜一憂しません。「ダメなら次」が、完全に身についています。
うまくいくまで、手を打ち続けていく――。そのことが徹底されています。
「あらゆる手を打つ」を肝に命じていないと、行動が場当たり的になります。また結果を早く求めるようになりがちです。
「すぐに結果は出ない」と分かってはいても、打つ手がことごとく外れると、やる気が徐々に低下していきます。「ダメなら次」というふうになれません。「いつまでやればいいのだろう?」「いつになったら、うまくいくのだろう?」と、疑心暗鬼になりがちです。
あらゆる手を打つと肝に命じている人とまったく同じことをしていても、疲弊度が違います。10倍も20倍も疲れます。うまくいかないことが続いて、次第にやる気をなくしてしまいます。「もうやめよう」という結論を早々に下してしまいます。
「あらゆる手を打つ」と決めれば、うまくいかなくても、「こういうこともある」と、カンタンにやり過ごせます。現実にうまくいかないことが多いのですから、過剰に期待することもありません。うまくいかないながらも、実際は少しずつ前進していますから、手応えも感じられます。
あらゆる手を打つ――。そう思うだけで、ココロに少し余裕が持てるものです。