組織においては、1人で何かすることは少なく、どんなことであれ複数の人と連携していきます。1人で勝手に何かするのは、ご法度。それは、スタンドプレーにすぎません。
そういう人が1人でもいると、うまくいくものもうまくいかなくなります。組織の和を乱すだけでなく、1人1人のやる気を失わせ、持っている能力を開花させずに終わらせてしまうことにつながります。
だからと言って、1人で勝手にやることがすべて悪いわけではありません。新しいことを始めたり停滞する状況を打破したりするためには、そうした人が不可欠。
新しいことをやったり改革をしたりするためには、協調性やすり合わせが欠かせません。それが、うまくいくか、うまくいかないかの「カギ」を握ることになります。
協調性やすり合わせをしていたら、いつまで経っても、何も決まらないし、かえってうまくいかない。だから1人でもやる……。
もしあなたがそう思うのなら、たんなる世間知らず。あるいは知恵がなさすぎ。それは、図星ではありませんか。
協調やすり合わせは、したほうがいいこと。むしろできて当たり前。
逆に、それができない組織はうまくいかなくなります。
新しいことが生まれなくなったり、停滞が続いていたりするとすれば、あなたの組織に協調やすり合わせがないから。協調やすり合わせをしすぎているからではありません。
協調やすり合わせとは、要は根回し。それさえやっておけば、いくらでも新しいことを始められるし、停滞を打破することも可能です。
多少の面倒はあっても、根回しとは時間がかかることではありません。意外とカンタンにできるものです。
まずはキーマンに「こういうことをやっていきます」と前もって告げます。
その後、現場にいる人たちに「こういうことをやる」と訴えて支持を得ていきます。そこで多数の賛同を得られれば、キーマンも「No」とは言いません。あとは行動に移すのみ。
組織において、どうしてもやりたいことがあるのなら、先走ることなく絶対に根回しをするべきです。それは、急がば回れ。1人で先走るより、成功する確率は想像以上に高くなります。