「正解」とは、いつも同じで不変なものではありません。それは、状況に応じてコロコロと変わっていくものです。
昨日までの正解が、今日も通用するとは限りません。今日の正解が明日には不正解になっていることは、十分にあり得ることです。
学校のテストなら、正解はいつも同じ。基本的に変わることなどあり得ません。たとえば、1+1の正解は、常に2。誰が解いても、いつも同じ答えにたどり着きます。
幸か不幸か、現実の世界では、2が正解のときもあれば、そうでないときもあります。1+1が3にもなれば、5にも10にもなるし、反対にゼロとかマイナスになることも「ない」とは言えません。
そういう不確実、かつ不確定の世界に生きているのが、現代の人間です。この傾向が強まることはあっても、弱まることはありません。
正解は、常に変わる――。このことは、ぜひアタマの真ん中に入れておきたいことです。
そのときどきで変わる正解を見つけるには、どうしたらいいのかと言うと、確実に言えることは何1つありません。「正解がない」のですから、それも当然のことです。
それでもあえてうまく対処できることを言えば、セオリーを重視しつつも、それに縛られないこと。「1+1=2」は、一種の模範解答。ほとんどの場合、それは通用しますが、不正解になる場合もあります。
そのときに1+1の正解が2であることに固執してしまうと、傷口を広げてしまいます。正解を見つけるには、いったんセオリーから離れる必要があります。
少し離れるくらいなら、3とか4あたりを正解に選びそうです。大胆に離れるのなら、10とか20を選択することも「アリ」です。いずれにせよ、素早く正解を導き出さなければなりません。
こうしてそのときどきに応じて、正解を探し出すのは大変なことでしょうか。もちろん、「NO」です。私たちがビジネスという現場で日常的にやっていることです。
セオリーに縛られていたら、そのときどきで変わる正解を導き出すことはできません。セオリーを重視しつつも縛られないでいるから、変わっていく正解を導き出すことができます。