何をするのであれ、これからしようとすることが「うまくいく」という確実性は、実は1つもありません。たとえカンタンなことや手慣れたことをするとしても、それが本当にうまくいく確率が100%ということは「ない」です。
弘法も筆の誤り。猿も木から落ちる……。
どんな名人にも、ミスや失敗はあります。名人だから、「できて当たり前」とは言えません。
たとえ以前にやってうまくいったことをするのであれ、成功するかどうかは分からない……。これは、世の中のすべてにおいて言えることです。
カンタンなことでも真剣にする。難しいことも、もちろん真剣にやる。結局のところ、どんなことも真剣にやらなければなりません。
「こんなのは朝飯前だよ」と、適当かつ、いいかげんにやったとしても、それなりにうまくはいきます。
とは言え、真剣にやっていれば、その何倍、あるいは何十倍もうまくいくに違いありません。
「カンタンなこと、手慣れたことは、真剣にやるまでもない」と考えるタイプは、おそらく合理的な考え方をする人です。難しいことや初めてのことには真剣にやるというように、メリハリをつけています。
その考え方は分からないでもないですが、自分自身を過大評価しています。名人でさえミスや失敗をするのに、そうでない人が適当にやったり、いいかげんにやったりして、うまくいくはずがありません。
このタイプは、カンタンなこと、手慣れたことを真剣にやらないで、木から落ちて大ケガする人です。もし真剣にやっていればうまくいったうえに、大ケガをせずに済むのですから、まさに自業自得。
どんなことも真剣にやると、エネルギーやスタミナが切れてしまう……。そんな心配をする人もいますが、杞憂です。
これは、まったく逆。どんなことも真剣にやるから、エネルギーやスタミナがついて、長丁場でも乗り切れるようになります。
適当かつ、いいかげんにやっていい理由など1つもありません。真剣にやるからこそ、ものごとをうまく仕上げられるようになります。