2020.5.14.

アヒルの水かきをする、、、

「あの人はいつも定時に来て、定時に帰るね。残業もせず、人より少ない時間で成果を上げているんだから、もともとの能力が違うのかなぁ」……
 勤務時間は、常に一定。繁忙期を除けば、残業せずに、誰よりも早く帰宅してしまう。それでいて仕事のクオリティーは高値安定していて、周りからの評価も高い……。
 こういうふうにスマートに仕事をしている人は、どこにでもいるものです。もしかしたら、あなた自身がその人物に該当するのかもしれません。
 仕事において常に一定の時間とクオリティーを保つ人は、プライベートでも同様です。
睡眠時間や食事の時間、読書や学び、リラックスやエクササイズも常に同じ時間を割いて質も安定しています。生活全般が、常に一定の状態を保っています。
 一定とは、何があろうとも同じ状態を保つこと。いつも同じようなことをしているように誤解されがちですが、そうではありません。
それは、ただのマンネリ。一定の時間とクオリティーを保つには、ほかの人がうかがいしれない努力がなされています。
そもそもコンディションは毎日異なるし、仕事の状況も時々刻々変わります。日常生活は、変化と刺激であふれています。
 そうした流動的な毎日の中で、常に一定を保とうとするのは、水面下で尋常ではない努力をしなければ不可能。
忙しいときにも定時に出社し退社するためには、そのときどきにおいて最適な仕事のやり方をしなければなりません。
少なくとも閑散期と同じやり方をしていたら、いつまで経っても大量の仕事がかたづかずにいます。
 忙しいときときはクオリティーも落とさず、なおかつ残業しないように、それ相応の仕事のやり方に変えていきます。ギアをふだんより3つも4つも上げます。
 本人は、死に物狂いで取り組んでいますが、周りからすればいつもと同じように淡々と処理しているようにしか見えません。
たとえて言えば、アヒルが水面下で必死になって水かきをしているようなもの。周りは、いつもとの違いを感じ取れずにいます。
 死に物狂いでやっているから、いつもどおりに仕事を終わらせて、帰途に就く――。この人は能力があると言うよりは、見えないところで必死にやっているだけです。
いつも一定の状態を保っている人は、ほぼ例外なくアヒルの水かきをしています。
 あなたは今日、見えないところで必死に取り組んでいましたか。水面下で尋常ではない努力をしていましたか?