多かれ少なかれ、誰にでも「アラ」はあります。不思議なことに、このアラをやたらと気にする人がいます。自分に対してならともかく、他人に対しても気にするようなら、注意が必要です。
「緊張しやすいんです」「せっかちなんです」……
こんなふうに自分のアラを会話のネタにするうちは、まだご愛嬌です。これを放っておくと、気づかぬうちにアラ探しをするクセがついてしまいます。
このクセは、1度ついてしまうと、なかなか抜けることがありません。しかもドンドン染みついてしまいます。
そうなると、どんな人に対しても、真っ先にアラに目を向けるようになります。
ほかの人が気づかないような、ささいなところにまでアラを見つけてしまう「名人」になっていきます。
「あなた、ちょっと早口だよね」「モノを置くときに音を立てるよね」……
特に問題がないレベルなのに、いちいち指摘したら、相手が困惑してしまいます。コンプレックスに感じてしまう人もいるし、トラウマになってしまう人もいるかもしれません。
アラがあるのは、悪いことではないです。「その人が持つユニークさ」と、とらえていけば、「気にすることもないこと」だと分かります。
アラを気にしてしまうと、いいところが1つも目に入ってきません。いいところを見逃したり、あるのに気づかなくなったりするので、とても残念なことです。
自分に対しても、また他人についても「いいところを伸ばそう」という気持ちが少なくなるので、成長の阻害要因になってしまいます。アラ探しは、確実に成長の足を引っ張ります。
もし不用意に自分および誰かのアラ探しをしてしまったら、やってほしいことがあります。それは、「いいところを見つける」こと。探し出したアラと同じ数だけのいいところを見つけるようにします。
アラ探しのクセがついてしまった人にとって、いいところを見つけようとするのは難しいことかもしれません。
それでも続けることで、いつしかアラ探しの名人を返上して、いいところを見つけられる「達人」に変身することも可能です。