1日24時間のうちには、たくさんのことが起こります。いいこともあれば、よくないこともあります。
多くの人は、うれしいことや楽しいことがあったら、喜びます。「やったー!」と感情を爆発させる人もいれば、「どうってことないよ」と、ポーカーフェイスを気取る人もいます。
多くの人は、悲しいこと、つらいことがあったら、ガッカリします。まるでこの世の終わりであるかのように泣き叫ぶ人もいれば、「それほどのことではないよ」と、クールを装う人もいます。
もっとも、1日24時間のうちにはたくさんのことが起こるので、1つのことをいつまでも引きずっているわけにもいきません。
次に起こる出来事に追われて、数分前にあったうれしいことや楽しいこと、反対に悲しいこと、つらいことさえも忘れてしまいます。
そんなふうに慌ただしく過ごした1日の終わり。その日に起こったさまざまな出来事について「楽しいことがあったな」とか「悲しいことがあったな」と振り返ります。
それもほんの一瞬だけ。次の瞬間には、何ごともなかったかのように忘れて、眠りに就きます。
こんなふうに1日を過ごす人は、多いかもしれません。あなたも、その1人でしょうか。
そういう人生が悪いわけではないですが、少しさびしすぎます。自分の身の上に起こったことをココロの奥深くに刻むようにすると、人生はもっと豊かになります。
ココロに刻む――。そう言ってもピンと来る人は少ないかもしれません。
と言っても、特別なことをするのではなく、ただ起こった出来事を「こういう楽しいことがあった」「こういう悲しいことがあった」と、感謝と畏敬の念を持ちながら振り返ります。それ以上は何もする必要はありません。
ただそれだけのことで、起こった出来事がココロに刻まれるようになります。それは、ココロの奥深くに沈殿し、あなた自身を滋味あふれる人へと育ててくれます。やがて人生の充実へとつながっていきます。
「こんなこともあった」という振り返りだけでは、すぐに忘れてしまいます。いいことであれ、よくないことであれ、起こったことをココロに深く刻み込んでいくと、それはあなたの人生を充実させる栄養分となっていきます。
ココロに深く刻み込む――。それをする人は、残念ながら多くはありません。