「それって、『面白い』ですか?」
話題になっている本やテレビ、映画などについて、人にこう聞く人がいます。
こういうときは、大体「見る/見ない」「読む/読まない」を迷っているときです。あなた自身も聞かれたこと、反対に聞いたことがあるかもしれません。
もしその人の評価や感想を自分が読んだり見たりする基準とするようなら、困ったことです。それは、自分に何かを選ぶ判断基準がないことを意味します。
相手が「面白かったよ」と言ったら、「そうですか。私も見る(読む)ことにします」と答えざるを得ません。ここまで言ったにもかかわらず、見たり読んだりしなかったら、相手に失礼になります。
相手が「面白くなかったよ」と言って、「そうですか。私も見る(読む)のをやめます」と答えたとしたら、相手の判断にすべてを委ねたことになります。
本、テレビ、映画のなんでもいいですが、人の評価を参考にするのは、いいことではありません。それは、相手の価値観や経験に自分を合わせてしまうことです。
どんなに尊敬する人であれ、相手とは価値観と経験が異なります。「面白い」と感じるポイントは自ずと違ってきます。
相手が「面白い」と思っても、自分がそう感じるとは限りません。自分が「面白い」と思っても、相手が「つまらない」と一刀両断することもあり得ます。
あなたは自分が「面白そうだ」と思うものを見たり聞いたりすればいいのです。「面白くなさそうだ」と思うのであれば、見たり読んだりしなければいいだけです。
自分が「面白くなさそうだ」と思いながらも、その一方で世間での評価が高いと、「面白いかもしれない」と気持ちが揺れて、迷ってしまう……。
そこには「もし面白かったら、見逃すとソンしてしまう」というさもしさがあります。
「面白い/面白くない」は、自分が感じることです。人の評価を基準にするのは、自分でその判断をする機会を奪うことになります。
「面白そうだ」と感じたら、見る(読む)。「面白くなさそうだ」と感じたら、見ない(読まない)。それを繰り返すと、精度が上がっていきます。
自分なりの価値観や経験が蓄積されていくと、人に聞かなくても、「面白い/面白くない」の判断ができるようになります。
人に「面白い/面白くない」を聞くのは、判断力の停止につながりかねないことです。
(朝の独り言☆)
私が娘に書いた本があります。「未来を創る生き方」300ページの大作!今回、溝口先生からある大手の新人社員教育でつかいたいとのことで、サインを頼まれました。沢山の新入社員に読んで頂けて、本当に嬉しいです。まだ読んでいない方には、読んで欲しい、ギフトして欲しい一冊です。