「ここは私のいるところではない。自分の力を発揮できる場所がどこかにあるはずだ……」
今いる場所が性に合わない、あるいは不本意だと感じると、往々にして人はこんなふうにとらえがちです。あなた自身、不遇をかこっているから、そう思ってしまうようです。そんなあなたに、キッパリお答えします。
「あなたが力を発揮できる場所は、あります。それは、今あなたがいる場所ですよ……」
そう聞いて、ビックリするあなたの表情が目に浮かびます。その瞳の奥には、自分のことを理解してもらえない「悲しみ」が宿っているようです。
今いる場所では「自分の力を発揮できない」と感じている人は、あなた以外にもたくさんいます。もしかしたら、ほとんどの人が同じ気持ちを持っているのかもしれません。
そんな人たちには同情を禁じ得ませんが、同時に自分自身を棚に上げすぎていることを指摘しておきます。
どんな場所であれ、持っている力を発揮するのは、自分自身の義務です。たとえあなたが望んでいない場所であっても、同様です。
「ここでは自分の力を発揮できるけど、あそこではムリ……」
そういう相性みたいなものがあったとしても、創意工夫と周りの協力次第で、持っている力を発揮できるようになるものです。
ただ、結果を出せるかどうかは、また別の話です。
ありとあらゆる手段と方法を使って、望んでいない場所でも持っている力を発揮できるようにする――。
あなたは、そこまでやったのでしょうか。トコトンまでやらずに、「ここは自分のいる場所ではない」などと思ったり言ったりするようでは、たんなる逃げです。
考えつく限りのことをして、なおかつトコトンまでやっていれば、自分には合っていない場所でも、持っている力を発揮できるようになります。
もし望んでもいないところで自分の力を発揮できるようになれば、あなたはこう思うかもしれません。
「ここは、案外、自分のいるべき場所かもしれない……」
そういう気持ちになったとき、あなたがその場所にとどまるか、それともほかを目指すかは自由です。
1つ言えるのは、望んでもいない場所で自分の力を発揮できるようになれば、どこでも通用するということ。
あなたが拠って立つ場所は、今いるところ。そこで輝くことができれば、どこに行っても自分自身が持っている力を発揮できるようになります。