2020.12.25.

向かい風でも進んでいく、、、

追い風と向かい風――。スタートするときに「どちらのほうがいいのか」と問われれば、前者と答える人が多いはずです。
確かに追い風でスタートすればアドバンテージがありますが、だからと言って、向かい風は「よくない」とも言い切れません。むしろ追い風以上のアドバンテージを得ることもあります。
向かい風でスタートしようとすれば、1歩先に進もうとするだけでも大変です。押し戻されることもあるし、前に出ようとするだけで体力をかなり消耗します。
やはり「やめたほうがいい」と思いがちですが、思わぬメリットもあります。風がビュンビュン吹いている中で1歩でも前に進もうとすると、足腰が鍛えられます。
それは、一種のトレーニング。もちろん、体力もエネルギーも消耗しますが、足腰を鍛えることによって十分なお釣りが来ます。
風がいつまでも同じ方向に吹くことはないし、またいずれはやみます。そのときこそ、大きなチャンスです。
これまで壁のように進むのをさえぎっていた風がなくなっただけで、カラダが軽くなったように感じます。面白いくらいにスイスイと前に進んでいけます。それまでのアゲンストに比べれば、無風状態さえ追い風に感じます。
そのうちに風の吹く方向が変わってきます。追い風になってくれば、さらにスピードアップして歩けるようになります。本物の追い風を受けると、まるでベルトコンベアにでも乗ったかのように、グングン進んでいきます。
向かい風には様子見で、風がやんだときにスタートした人は、体力を温存していた分、余裕があります。とは言え、向かい風でも進んだ人のように足腰を鍛えていないので、それがのちに致命傷になり得ます。
無風や追い風のときはスイスイ進んでいきますが、向かい風になったときには鍛えていない分、温存していた体力も早く消耗してしまいます。向かい風になった途端に1歩も進めなくなる可能性が大です。
向かい風でも進むのは一見すると、デメリットばかりのように見えますが、決してそんなことはありません。少なくないメリットを体感できるのは、躊躇せずに向かい風でも突き進んだ人だけです。