2021.1.18.

向上心を取り戻す、、、

長くやっていると、どうしてもついて回るものがあります。それは、慣れ。
慣れというものは、本人が意識して取り込むものではありません。知らず知らずのうちに自分のうちに潜んでいって、ドンドン増殖していきます。ある意味では、「ウイルス」のようなものです。
取り込むつもりはまったくないのに、いつの間に自分自身に入り込んで、気づかぬうちに作業したり行動したりするようになります。本人は、そのことに無自覚です。
ようやく気がつくのは、何かが起こったとき。ふだんならしないようなミスを連発したり、あまりの不出来を上司やクライアントに注意されたりしたときに、自分自身が「慣れ」でやっていたことに気づいてゾーッとします。
大事に至らなかったことが、せめてもの不幸中の幸いです。
慣れとは、向上心が欠けた状態で作業したり行動したりすること。まさに惰性です。
誰にでも言えることですが、ものごとのコツをつかめるようになると、精神的にも肉体的にも慣れてきて安定的にこなせるようになります。
同時に、「もっと速く」「もっとうまく」「もっと多く」という欲も出てきます。それが、向上心です。
この欲を満たすのはカンタンなようで、実はかなり難しいものです。なぜなら多大な努力を必要とするから……。
自分自身のレベルをワンランク上げるくらいで「もっと速く」「もっとうまく」「もっと多く」は実現できません。スリーランクとかフォーランク上げなければ、実現できないことです。
何度やってもできずにいると、せっかく持った向上心がしぼんで「別にムリすることはない」と妥協をするようになります。「今までどおりでいい」と思うようになって、次第に向上心も欠けていきます。
とは言え、できないショックを引きずっているので、身が入りません。この状態で作業したり行動したりするのですから、ミスが起きたり不出来になったりするのは当たり前です。
この危機を脱するには、向上心を取り戻すことに尽きます。
もっと速く。もっとうまく。もっと多く――。その気持ちを持ち続ければいれば、慣れること自体がなくなります。「慣れ」というウイルスを、自分の中に間違って取り込んでしまうこともありません。