2020.9.16.

待機と様子見は違う、、、

災害や突発的な事故などの想定外の出来事が起こったとき、多くの人はパニックになります。
このときふだんはやらないような突拍子もない行動をとる人がいます。
降りかかった災難から逃れるために、「なんとかしなければならない」という気持ちになって、それが自分自身をとにもかくにも行動に駆り立てていきます。
とは言え、状況が分からないのに、やみくもに行動するのは、かえって危険です。
状況が分かるまで、しばらくジッとしている安全策をとったほうが無難です。「ジッとしていたほうがいい」と言うと、ほとんどの人は「そうなんですね」と納得してくれますが、よく見ると、対応は次の2つに大きく分かれます。
 1つは、様子を見る。多くの人が選択しがちなのが、これです。
状況が正確に分からない以上、ジッとしているしかないのですが、これはいい選択ではありません。なぜなら結局、何もしないことだから……。
「様子を見る=何もしない→事態が悪化する→様子を見る=何もしない……」
様子を見ているだけでは、この負のループにハマっていくだけです。ここから抜け出すのは、容易なことではありません。
先を見るのは、超能力者でもない限り、不可能。だからと言って、様子を見ている(何もしない)だけでは、自ら悪化する道を選んでしまっています。
もう1つは、待機する。この2つは似ているように見えますが、実はまったく異なるものです。
様子見は、なんの考えも持たず、また状況を変えるなんらかの行動をしないでいること。
一方の待機は、ある考えのもとに一時的にジッとしているだけで、時機が来たら行動に移ること。決して何もしないわけではありません。
待機とは、出番を待っている状態。周りの状況を注意深く観察して、いつどのタイミングでどういう行動をすればいいかを、しっかり見計らっています。
状況に応じてやるべきことは変わっていきますが、「これをやるなら今だ」と見極めたらすぐにでも実行に移していきます。
能動的で主体的だからこそ、「待機する→行動する→事態が好転する」という正のループに突入していきます。
待機は、ポジティブ。様子見はその逆で、ネガティブ。どちらを選択するかで、想定外の出来事に遭遇したときに抜け出せるかそうでないかが決まってしまいます。