2020.2.23.

忙しいことに酔わない、、、

「お忙しそうですね」
こんなふうに言われて、たとえ謙遜しているにしても、「いいえ、ヒマでヒマで、どうしようもないですよ」などと答える人はまずいません。

おそらくほとんどの人は、「おかげさまで」「ありがたいことです」などと答えるのではないでしょうか。

そこにあるのは、「うれしい悲鳴」と、少しばかりのとまどいです。

確かに無聊をかこつよりは、忙しくしているほうが健全です。また生活全般にハリが出てきます。それでは、こう聞いてみます。

「忙しいのはいいことですか、それともよくないことですか?」
こんなことを聞かれたら、答えに苦しむ人が多そうです。この答えは、明白。

それは、もちろん、「よくない」です。こう言うと、驚きの声がたくさん上がりそうです。その気持ちは分からないでもないですが、少なくとも「いい」と言えるだけの根拠が見つかりません。

「忙しいのがよくない」と言える理由は、いくつかあります。その1つが、「酔ってしまう」こと。

朝から晩まで、予定がビッシリ。食事もままならないほど、アポが入っている。得意先回りで、出張の連続……。

こういう状況にある人は、たくさんいます。もしかしたら、あなたもその1人かもしれません。

忙しいのは仕事ができる証拠でもありますから、どうしても有能な人はタイトなスケジュールになってしまいます。

それが本当にいいことなのかと言うと、残念ながら、「NO」と言わざるを得ません。と言うのも、自分自身を成長させることは何もやっていない可能性が大だから……。

朝から晩まで、ロクに食事もとれないほどスケジュールが入っているとしたら、行き先がどこだか分からない「スケジュール」という名のベルトコンベアに乗っているようなもの。そんな状態は、お世辞にも「いい」とは言えません。

「忙しい」と、成長しない、また結果が出ていないにもかかわらず、「やっている感」を得られます。

その妙な充実感が、クセモノ。成長もしない、結果も出ていないのに、「忙しくなる」ことを目的にしてしまいます。この「忙しいことに酔っている」状態には、多くの人が気づかないうちに陥っています。