新しい企画を通すために会議でプレゼンをするところにまでこぎつけて、なんとかGOサインをもらったのに、後日、「あれは中止になったよ」と言われて腰から崩れ落ちた……。
組織にいれば、こういう不条理な出来事に遭遇することが少なからずあります。もしかしたら、あなたもそんな悔しい経験をしているかもしれません。
正式な「会議」でものごとが決まったとしても、どこからか異議やクレームが出てきて、カンタンに覆されてしまう……。これでは会議の体をなしていません。
最終決定されるのは、長くいる人たちや利害関係者が非公式に集まった場。いわゆるキーマンがそこで調整をして、ものごとが決まっていく――。
そんな昭和の残骸のようなことは、今でもあらゆるところで行われています。
こういう二層構造は、すぐにでも廃止しなければなりません。もったいないことに、会議でOKが出たことで動き出したことによる時間と金銭的コスト、モチベーションという貴重な資源を平然と捨てて、すべてをムダにしてしまっています。
会議とは、報告や発表、顔合わせを兼ねた交流などのためにあるのではありません。また誰かを吊るし上げるためのものでもないです。
本来は、意思決定の場。それゆえに意思決定にかかわらない人が出席しているのはおかしなことです。その反対に、意思決定すべき人が欠席しているのは、あってはならないことです。そういう人が出ていないなら、会議を中止するべきです。
意思決定するために行うのが会議であって、それをしないでいるとしたら小田原評定と変わりません。ビジネスパーソンがやるべきことではないです。
もっとも意思決定さえすればいいのかと言うと、それは必要条件を満たしただけ。ほかにもやるべきことが、あります。それは、意思統一。
組織として決定がなされたとしても、納得していなかったり反対意見を持っていたりする人も散見されます。そうした人たちを放置するのは、百害あって一利なし。
意思決定された以上は、呉越同舟でもいいので、考え方の違いを乗り越えて実行してもらわなければなりません。そのためにキーマンが音頭をとって「これをいつまでにやる」という組織としての意思を統一させます。意思統一は、十分条件です。
意思決定したうえで、統一をする――。ここまでやって初めて、会議が実のあるものになります。それを実践している組織は、ごくわずかと言っていいです。
(朝の独り言☆)
歯科医師をしていて嬉しいことの一つに、10年以上前にインプラント治療した患者さまから、「お金のことは良いので、より快適にできる治療を先生考えてくれるかな」と言われた時です。本当に治療して噛めることでの人生の価値を感じてくれていることが嬉しいですね。一つの仕事を長く続けているからこそ、感じられる喜びがあります。
「続ける力」は、どんなことにおいてもとても大切なことだと思います。