どんなに取り繕っても、必ずその人の本音が出てしまう……。そういうものはいくつかありますが、その1つが「話し方」です。
話し方には、その人の気持ちが意図せずに表れてしまう……。そう言っても、過言ではありません。
話し方とは、うまい/下手を問うものとは異なります。うまいほうが「いい」に決まっていますが、それが「すべてではない」ことは強調しておきます。
問われるべきなのは、相手を思う気持ち。それが相手にきちんと伝わっていれば、うまい/下手はもうどうでもよくなります。
相手も「この人はあまり話がうまくないな」と思いつつも、しっかり聞いてくれます。なぜならこちらを思う気持ちが伝わるから……。
「話し方が下手だから」と、ムゲにすることもありません。一緒になって、会話を楽しもうとします、
相手を思う気持ちがあれば、出会ってすぐでも信頼関係が成立します。
話し方がうまくなくても、ちゃんとコミュニケーションできるものです。
往々にして話し方が「うまくない」「下手」だという自覚がある人は、テクニックを磨こうとします。
そこには、この人たちが気づかないでいる、大きな落とし穴があります。
それは、相手にいい印象を与えたいから。もっと言えば、たんに「自分のため」です。
話し方がうまくなれば、相手に「信頼される」と思い込んでいます。信頼されて、「契約がとれる」とか「言うことを聞いてくれる」という「捕らぬ狸の皮算用」を弾いています。
これでは、相手を思う気持ちがゼロ。
自分本位ですから、相手に信頼されるはずがありません。「絵に書いた餅」に終わります。
テクニックを磨こうとするのは、一概に「悪い」ことではありません。
ただせっかく身につけても表面的になりやすく、逆効果になることもあります。そこは注意すべきです。
あなたは今日、相手を思って話をしましたか。相手は、あなたの言うことをしっかり聞いてくれましたか?