「もうやらない!」「二度としない!」「今度こそ絶対にやめる!」……
食べすぎ、飲みすぎ、寝すぎ、買いすぎ。あるいは遅刻やドタキャン……。「よくない」と思いながらも、ついついやってしまうことは、誰にでも1つや2つくらいはあるものです。
「やめる」と決めて、実際にそうできたとしたら、なんの苦労もいりません。よくないことをやらずに、充実した毎日を送っているはずです。
現実は、言うは易し、行うは難し。「よくない」と思いつつも、なかなかやめられないのが、多くの人の実態です。
そういう人に対して、「意志が弱い」とか「やる気がない」と責めるのは、酷です。非難しているその人も、完全無欠ではありません。
人の知らないところで、コッソリ「よくない」と思っていることをしている可能性は「なきしもあらず」です。
やめられないのは、単純に意志とか性格といったその人自身の問題ではありません。そのほとんどが、「うまくやめる方法」を知らないでいるからです。
やめる方法にも、いろいろあります。その代表が、「今日からやめるぞ」と、その日から実行してしまうもの。「善は急げ」的なところがありますが、長くやってきたことをいきなりやめるのはムリがあります。
習慣となっているものは、そんなにカンタンに変わるものではありません。
それに対して、確実性が高いのが、「移行期間を設ける」こと。やめるのをその日ではなく、2週間後とか1か月後とか、少し先に設定します。
その間が、移行期間。この間は、「よくない」と思っていることを少しずつ減らしていきます。ガマンできずにやってしまったら、それはそれで「問題ナシ」とします。
禁酒禁煙やダイエットが続かないのは、いきなり始めてしまうことと無関係ではありません。これは、ゼロサム。
それまで当たり前のようにやっていたことをゼロにしてしまえば、ガマン自体がストレスになります。
そのストレスに耐え切れずに、せっかくやめたことに手を出して、元の木阿弥になってしまいます。
移行期間は、あくまでも「減らす」のが目的。ガマンできずに手を出してしまっても、OK。
こうして移行期間中によくないことをやめる習慣が身につけば、「やめる」と設定した日にはムリなくしないようになっています。