人生とは、「出会い」と「別れ」の繰り返し――。そう言い切っても、過言ではありません。
出会いと別れを繰り返して、人は成長していきます。また1つ1つの出会いと別れには、意味があります。
一概には言えませんが、人生の前半戦では出会いのほうが多く、後半戦では別れのほうが多くなっていきます。もちろん、人生の後半戦で出会いが別れより多い人もたくさんいます。
別れの中でも特別なのが、死別です。残された人にとっては、つらいし苦しいものです。
いつ来るか分からない大事な人との悲しい別れは、誰もが避けて通ることはできません。覚悟すべきことです。
その別れは、今生でのことです。もしかしたら、別の世界でまた巡り会うこともあるかもしれません。そう、人生とは出会いと別れの繰り返しなのですから……。たぶん別の世界でも、それは同じです。
悲しい別れをした人をいつも思っていること――。それが、追悼です。
追悼は、特別な日にだけするものではありません。毎日してもいいものです。
毎日するとしても、大げさなことをする必要はありません。ただその人のことを生きているときと同じように思うだけで十分です。
その人が今、目の前にいるかのように思い浮かべれば、自然に笑顔になってきます。
残された自分は、限りある時間を最期の瞬間まで全力で生きていくだけです。そうしなければ、別の世界で会わせる顔がありませんから……。
相手のことを思うだけでなく、真摯に生きるように自分自身を厳しく律してくれるもの――。追悼とは、そういうものです。
生きている限り、あなた自身は追悼を続けていきます。そうして自分がこの世界からいなくなったとき、今度はほかの人がしてくれるようになります。
そのときあなたは、別の世界でずっと思っていた人たちと再会しているかもしれません。
もし巡り会えたとしたら、それはあなたがずっと追悼をしていたから……。
そうとらえていくと、追悼がロマンチックなものに見えてくるかもしれません。