「こういうのはダメなんだよね」……
多かれ少なかれ、誰にでも「苦手」なものがあります。それを避けて通れるようなら、ムリしてできるようになる必要はありません。
苦手なことが1つや2つあったところで、生きていくことはできます。避けて通るのも、1つの生き方。
それでも「できるようにならないと困る」状況になったときは、もはや避けて通るわけにはいきません。腹を決めて、苦手なことに取り組んでいきます。
このとき多くの人は、うまい人にコツを教えてもらおうとします。その道のプロに習う人もいるかもしれません。
誰かに教えてもらったほうが自分1人でやるよりは、うまくいく可能性ははるかに高いです。そういう人を素早く見つけたいものです。
どれだけその苦手なことをできるようになるのかを左右するポイントが2つあります。両方を知っている人は、それほど多くありません。
1つは、教えるのがうまい人に習う。うまい人が必ずしも教え上手とはかぎりません。うまいけど、教えるのが下手な人はたくさんいます。
それなりにできて、教えるのもうまい。こういう教え上手に習うべきです。
もう1つは、教わり上手になる。これは、自分自身のこと。
教えてもらうのですから、何よりも謙虚でなければなりません。
相手が年下であるとか知名度のない人の場合、こちらが教えてもらっている立場にもかかわらず、「教えるチャンス」をあげているという意識になりがちです。
「これは分かったから、次にいってよ」
こんなふうに催促する人もいます。これでは教え上手の人もやりにくいはずです。
せっかく習ったのに中途半端にしか身につかず、苦手なことができるようになったとは言えません。
教えられたことを言われたとおりに、できるまでしっかりやる――。これは当たり前のことなのに、疎かにしている人は少なくありません。
教え上手に習う。教わり上手になる。苦手なことをできるようにするためには、この2つを両立させる必要があります。