成長していくスピードは、1人1人に違いがあります。アッと言う間に成長する人もいれば、一進一退したり七転八倒したりする人もいます。
速い/遅いの違いは、決して能力によるものではありません。それだけは明確に言えます。
もし能力による違いがあると思う人がいるとすれば、成長というものが何か、分かっていません。おそらくその人は、「成長することもない」と言ってもいいくらいです。
速く成長した人は、別に特別なことをしたのでもありません。人より速く成長の階段を駆け上がっただけのこと。
もちろん、速く駆け上がるための努力や練習は欠かしません。その蓄積が、スピードに昇華しています。
何もせずに自分が持っているポテンシャルだけで、成長スピードが速くなることはありません。
ポテンシャルを開花させたのは、努力や練習の蓄積。このことも明確に言えます。
見過ごされがちなのは、速く駆け上がった人も、1段ずつ上に行っていること。速く駆け上がっているからと言って、2段とか3段、あるいは4段とか5段飛ばしをしているわけではありません。あまりの速さに、その人が何段か飛ばしているように見えるだけです。
もし数段飛ばしで駆け上がっているとしたら、最初のうちは軽快かつ順調にいっても、続けていくと、疲労が蓄積します。途中でつまずいたり転んだりする危険性が伴います。
ちょっとつまずくだけならまだしも、階段を踏み外して、下のほうまで転落したら、大ケガをします。
ケガが治るまでの時間を考えたら、速く上がった意味がなくなります。そんなことになるのを承知で数段飛ばして速く駆け上がっていたとしたら、滑稽ですらあります。
成長の階段を猛スピードで駆け上がっている人は、きちんと1段ずつ上に行っています。1段1段上ることを面倒くさがったりしません。
「急がば回れ」で、1段1段確実にかつスピーディーに上がっていきます。成長の階段は、1段ずつしか上に行けないものです。