2020.3.4.

すべてを「花形」にする、、、

ある組織で、社運を賭けた新商品が発売されようとしています。これからその販促についての会議が行われようとするところ。社長以下、全役員が出席しています。

参加者は商品開発、営業、マーケティングなど複数の部門から選ばれた精鋭です。緊張感とともに、「この商品で世の中を変えていく」という心地よい高揚感がみなぎっています。

商品開発や営業、マーケティングといった部署は、いわゆる「花形」部署扱いされます。売り上げや利益を直接もたらすところですから、重宝されています。また優秀な人材もそうした部署に投入されるようになっています。

これは、本来おかしなことです。商品開発、営業、マーケティングを志望したり、その適性があったりする人が配属されるのであれば、問題はありません。とは言え、たんに「優秀だから」という理由でそうした部署に配属されるのは、困ったものです。

また一部の部署を花形扱いすると、そうでない部署に配属されている人の士気が下がりかねません。

経理、人事、総務といった、いわゆる裏方的な仕事をする人は、売り上げや利益に直結することをしていないので、日陰者扱いされがちです。

「頑張っても、給料が上がらない」という窮屈な思いをさせてしまいます。これは、本当に残念なことです。

組織においては、花形も裏方もありません。本来は、すべてが花形。

これは、キレイゴトや理想論で言っているのとは違います。本当のことを指摘しているだけです。

組織が成長し繁栄していくためには、顧客に支持されなければなりません。その顧客に直接かかわるか、間接的にしかつながっていないかの差があるだけ。

そもそも顧客に直接かかわる商品開発や営業、マーケティングといった仕事は、経理、人事、総務といった、いわゆる裏方的な仕事をする人たちのサポートがあってなりたります。

この人たちが存在しなければ、売り上げや利益を持ってくることもできなくなります。

組織においては、花形や裏方の区別は存在しません。すべての部署が、花形。

もし区別をしているとすれば、その組織はオワコン。成長することも繁栄することも不可能になります。