やったことがないことを1回でその道のプロフェショナルと同じくらいにうまくできる……。そんな都合のいいことは、世の中にはありません。
もし本当にできてしまうとしたら、よほどカンタンなこと。誰もができてしまうことなので、付加価値にはなりません。
やったことがないことなら、できるようになるまでには、ある程度の時間を要します。どれくらいの時間がかかるかは、人それぞれ。
それまで積み上げてきた知識・スキル・経験が、出来不出来を左右することもあります。もちろん、やる気も大いに関係します。
いずれにせよ、なかなかうまくならないことは同じ。そのうまくいかない期間をどのように過ごすかも、また出来不出来に深くかかわってきます。このうまくいかない期間は、3つの段階に分けることができます。
1つ目は、基礎を身につけていく。どんなジャンルであれ、基礎と呼ばれるものは必ずあります。そのほとんどが、誰もができるカンタンなことで成り立っています。
カンタンなことばかりなので、意外とスイスイできてしまいます。あまりにも簡単なので、「こんなのどうってことないよ」と過小評価してしまう人もいます。
2つ目は、上達していく。基礎を身につけた人が、それまでに得たものをさらに発展させていく段階ですが、そうカンタンではありません。
うまくいったり、うまくいかなかったりといった一進一退が続きます。
ここは続けるかやめるかの、大きな分岐点です。一進一退を楽しめる人は続けていきます。楽しめない人は、「面白くない」と言って、アッサリやめたりします。
3つ目は、極めていく。基礎を身につけたうえで上達した人が、さらに知識・スキル・経験をアップさせていきます。この段階は、プロフェショナルのレベル。その世界で食べていける人は、この段階にあります。
結局のところ、うまくなるかならないかは、上達の段階にガマンできるかできないかにかかっています。
「うまくいく/うまくいかない」を繰り返す一進一退を楽しめる人は、上達していきます。そうでない人はやめてしまうか、ずっと停滞します。
一進一退――。どんなジャンルであれ、このもどかしい時期をどのように過ごしていくかは、その後に大きく影響していきます。