仕事であれ勉強であれ、同じことをするのであれば、「より少ない時間とコストでやってしまおう」と考える人は、少なくありません。それは、老若男女に共通して言えることです。
多くの人は、「かける時間や手間が少なくなること」を効率だと思っています。残念ながら、これは完全なる誤解です。
ハッキリ言えば、時間や手間を少なくするのは省力化。もっと厳しく言えば、ラクをしているだけです。
これでは効果を得られないし、もしなんらかのプラスのことが起こったとしても、微々たるもの。ラクをしているのだから、それも当然のことです。
効率の最大の要件とは、結果を出すことです。それ以前より倍とかそれ以上の効果を出して初めて、効率化に成功したと言えます。たんに時間や手間を少なくするのとは、明確に異なります。
同様に、結果を出すために、倍の時間や手間をかけるのも効率的とは言えません。たとえ結果が出たとしても、それでは時間や手間をムダに多く使ってしまっています。
時間や手間を(できれば1/2くらいに)少なくしながら、倍以上の結果を出していく――。これが、あるべき効率の姿です。
ここまで見てきて明らかなように、本当に効率を実現しよう思ったら、極めて大変です。
プロセスの1つ1つを見直して、必要ないなら省く、必要なものはより短くする方法を考えて、そのうえで結果が出るような仕組みをつくっていきます。
実現するためには、時間も手間もかかります。そうした真摯な取り組みをすることで、ようやく効率化が実現します。
1度や2度でうまくいくことは、ほぼ皆無。つくった仕組みを常に改良しながら、結果を出せるように持っていきます。
そうした試行錯誤を経て、ようやく効率化が実現します。効率を実現するために時間をかける――。これは、大いなるパラドックス。
結果を最大化するためにやるもの――。それが、効率です。結果を伴わないものはどんなに時間や手間を少なくしたとしても、効率の名に値しません。
あなたは今日、結果を出すために何かを効率化しましたか。プロセスを1つ1つ見直して、改良することができましたか?