大都市や観光地では、大通りや表通りには人があふれ、賑わいを見せています。そうしたところには多くの人が注目するお店もたくさん集まっていますが、通りから外れた道にフラっと入っていくと、極端に人通りが少なくなります。
どこかさびしさも漂わせていますが、なぜかしら「行ってみたくなる」ことがあります。まるでその通りが「おいで、おいで」と手招きしているかのように……。
「何があるのだろう？」と、軽い興味本位のまま突き進んでいっても、やはり何もありません。住宅地ですから、人家ばかり。「やっぱり何もないか……」と思ったら、個人の家を改装した不思議と魅力的な店を発見し、思わず入店してしまいます。
看板も目立たず、おそらく観光客が気づくことはありません。通りすがりが立ち寄ることはほぼ不可能で、地元の人たちだけが通う、知る人ぞ知る店。
その店に入ることができたのは、表通りからフラっと外れたから。もし人気のない通りになんの興味も示さずにいたら、２度と巡り合うこともなかったはずです。
誰もが、こんな寄り道の体験を何回かはしています。その寄り道をしたせいで、予定がズレたり変更したりしたとしても、「行かなければよかった」と思うこともありません。
もしあのとき道を１本外れなければ……。もしあのときあの角を曲がらなかったら……。
ちょっとした寄り道が人生においてかけがえのないものに出合わせてくれることは、往々にしてあるものです。
あとになって言えるのは、その寄り道は予定になかったこと。また「何があるのだろう？」という軽い興味があったこと。人生においても、この２つがその後、大きな転機につながるのは否定できないことです。
予定どおりに進める。興味を引くものがあっても、脇目も降らずにそのまま進める。そのほうがどんなことも早く達成できるものです。
いくら早く完成させたとしても、なんのサプライズがないのも事実。フラっと寄り道をすることで予定より遅れたり、多少想定とは違う結果になったりしたとしても、そこにはかけがえのないものを見つけたサプライズや感動があります。
「何があるのだろう？」と興味を引くものがあったら、角を曲がってみる……。そういうフラっと寄り道をする人生のほうが、実は幸せで充実しているものです。
あなたは今日、どんな寄り道をしましたか。どこでどの角を曲がってみましたか？
