2022.4.4.

「冷静」と「冷たさ」は違う、、、

長年付き合いがあったものの、納入価格が同業他社より割高だった取引先を上司がバッサリ切った……。そういう大胆な変更がなされると、組織にいる人は戸惑います。

納入価格が高いのは、完全なデメリット。割安な価格で取引してくれる業者に変えたことは、ビジネスとしては当然のことで、上司は極めて冷静な人です。

一方で、古い取引先は勝手知った仲だから、仕事を進めやすいという目に見えない大きなメリットがあります。その切られた取引先と懇意にしている人たちは、この判断をした上司を「冷たい人」と見るに違いありません。

どちらの判断が適正なのかはともかく、立場と見方が変われば、ある1つの選択についてのとらえ方が180度異なることはあり得ます。この上司が冷静なのか、それとも冷たいのかを判断するには、変更をした背景まで踏み込まなければなりません。

「冷静」とは、ある目的を成し遂げるために合理的に思考し行動すること。この場合、経費節減という目的を遂行するために、付き合いの長かった納入価格が割高な取引先を切るのは、冷静そのもの。合目的的であれば、誰もがその選択に納得してくれます。

別の言葉で言えば、同情の余地なく決断すること。「古くからの取引先を切るのはしのびない」という感情が混じってしまえば、冷静な思考も行動もできなくなります。

一方の「冷たさ」とは、周囲の影響を一切考慮せずに自分のトクになることだけを追求すること。冷たい対応は自分がトクをすることで、ときに誰かがソンをする事態を招きます。

長年付き合いのある取引先にしても、切られてしまえば仕事を失うことになるのですから、組織の中には不憫に思う人がいてもおかしくないし、この決断をした上司を「冷たい」と思うのも自然なことです。

その意味では、「なじみのある取引先が納入価格の引き下げに応じてくれないために、やむを得ず切った」と公言すれば、組織のすべての人に「冷たい」ではなく「冷静」と思われたはずです。自ら「冷たい」と思われかねない行動と態度を示してしまうのは、賢明とは言えません。

冷静と冷たさは、似て非なるもの。両者を混同している人は、少なくありません。

ものごとを遂行するためには、常に冷静に思考し行動しなければなりませんが、「冷たい」と思われてしまったら、それはそれでマイナスです。冷静でありながら、「温かい」と思われる思考と行動をしていきたいものです。

(朝の独り言☆)
昨日で59歳になりました。50歳になった時には、人生も残り何年なのか…と少しネガティブな気持ちにもなりましたが、55歳過ぎると 残りの人生をより充実したいという高いモチベーションに変わりました。59歳の今は、来年は
還暦だなと、自分でも実感がわかない感じです。ただ、最近は、年を重ねることで、今まで以上に本質がみえてくるなど、年を重ねる魅力と価値をすごく感じています。同時にこれからの人生は、とことん悔いなくという気持ちに…。まさに私のモットーである「本気で生きよう、倒れるときは前に倒れよう」という生き方をしたく思います。