悪党に追いかけられてビルの屋上まで駆け上がってきたものの、行き止まり。逃げ切るためには、数メートル離れている隣のビルの屋上に飛び移るしかない……。
映画やドラマなら、たとえ冴えない主人公でもここで隣のビルに飛び移ることができます。それは、一種の「火事場のバカ力」です。
現実はと言うと、やったとしても成功することはまずありません。走り幅跳びの世界チャンピオンでも、うまくいくかどうかは不明です。
こんな話をしたのには、理由があります。それは、「限界を超える」のも同じようなものだから……。このことは、すべての人に共通して言えます。
荒っぽく言えば、限界とは、行き止まり。そこから先へ進むことはできません。
ただし、行き止まりなのはその時点でのこと。数メートル離れている隣のビルに飛び移るようなことができれば、限界を超えられます。映画やドラマのように……。
もちろん、カンタンにはいきません。思い切りジャンプしたものの、転落してしまう恐れもあるし、隣のビルにわずかに届かず壁にしがみついてなんとか落下せずにギリギリで踏みとどまることもあり得ます。
こう言うと、「命がけ」のように感じる人もいそうですが、そんなこともありません。限界は、超えることができます。それも川の浅瀬にある飛び石をポンポンポンと移っていくように……。
あくまでもその時点での行き止まりが、限界です。日々精進していれば、いつかはその行き止まりから先に進むことは可能です。決して不可能なことでもありません。
もっとも、1回や2回やったくらいでうまくいくのは、あり得ないこと。10回や20回、いいえ、100回や200回、あるいは1000回や2000回、もしかしたら10000回や20000回やって、ようやく超えることができます。
映画やドラマとは違って、危険性はゼロ。マストアイテムは、時間と根気、そしてあきらめない気持ち。この3つが揃えば、うまくいかないことが続いたとしても取り組み続けている限り、いつかは超えることができます。
その限界をヒョイと超えたからと言って、賞金がもらえるわけでも表彰されるわけでもありません。それでも大いなる自信を得られるし、勇気も湧いてきます。また「新しい自分に生まれ変わった」かのような爽やかな気分にもなれます。
(朝の独り言)
今日は、一日どんよりした天気でした。最近は、診療の合間に読書をしています。かなりページ数がある本も 丁寧に内容を咀嚼して読んでいます。明日は、朝から一日インプラント手術です。安心、安全に行いたいと思います。