アイデアというものは、基本的に自分の内から出てくるものです。決して空から降ってくるものではありません。
それがどういうものであれ、また実用的であれ非現実的であれ、自分の中から出てくるから、意味があります。
自分の中からムリやりにでも絞り出そうとすると、そのうちにアイデアを生み出せるようになります。
人から言われたことがヒントになることは、もちろんあります。そのヒントがきっかけになってアイデアが生まれたとしても、出どころはあくまでも自分の中。
人から言われたことをそのまま採用したら、パクリです。それは、もはやアイデアとは呼べません。
「なかなかアイデアが出てこない……」
こんなことを言う人をたまに見かけますが、往々にして長く考えすぎています。いいアイデアが出てくるまで、何時間も平気で考えていたりします。
長く考えればいいものが出てくるわけではないのが、アイデアの面白いところです。
1秒で「これだ!」と思えるものが出てくることもあります。1秒で出てきたから「よくない」「非現実的」ということはなくて、多くの人を喜ばせるアイデアが出てくることは十分にあり得ます。
考えているのにいいアイデアが出てこないとすれば、それはたんにアタマがこんがらがっているから……。こういうときは思い切って「考えるのをやめる」と、意外と功を奏するものです。
こんがらがってしまうのは、難しく考えている証拠です。ものごとを複雑に見たり、とらえたりしています。こうなると、自分自身がアイデアの出口をふさいでいるようなものです。
そのこんがらがっているアタマを柔軟にするには、考えるのをやめること。あえてアタマを空っぽにします。
考えるのをやめると、こんがらがりがほどけてきます。余計なものがそぎ落とされ、シンプルかつストレートにものごとを見たり、とらえたりするようになっていきます。
自分自身が押さえていた出口から、アイデアがポンと出てくるのは、時間の問題。
考えるのをやめた途端に、うまくいっていなかった「アイデアの発酵」が始まります。