「こちらのほうが正しい」「いや、そっちのほうが間違っている」……
自分とは異なる意見を持つ人と議論すると、こんなふうに紛糾することがあります。どちらも「自分こそ正論」と思っていれば、お互いに1歩も引きません。
そもそも意見というものは、違って当たり前です。1つの意見が未来永劫、正しいということはまったくありません。それを正論として絶対視するのは、危険でさえあります。
時と場合によって、意見を変えるのは、なんの問題もありません。今この瞬間に正論だったものが、10年後には異論になっていることは大いにあり得ます。もちろん、その逆も十分にあり得ることです。
自分とは異なる意見を持っている人に遭遇したとき、するべきことは「認める」ことです。これができれば、相手と衝突することはなくなるし、それどころか画期的な意見が生まれる可能性もあります。
異なる意見を認めるとは、相手に全面的に賛成することではありません。自分の意見より相手のもののほうが優れていると見なすこととも異なります。それは、「そういう考え方もある」と認識して排除しないことです。
往々にして人は、異なる意見を目の当たりにすると、「それは違う」と否定したり、考え方そのものを邪険に扱ったりします。こういうことをすれば、相手との衝突は不可避です。
議論が平行線をたどり、前に進みません。いたずらに時間を浪費するだけでなく、異なる意見を持った相手に対して悪感情を抱くことになります。
このときムリやり白黒をつけようとすると、収拾がつかなくなっていきます。こういう非生産的なことをしている組織は、残念ながら、本当に多いものです。
「そういう考え方もあるのか……」と認識して排除しないでいると、相手の意見のいいところが見えてきます。
自分の意見の一部とそれを組み合わせていくと、これまでにはない斬新なアイデアが生まれることもあるかもしれません。
AでもBでもないXという画期的な意見が誕生するのは、得てしてこういうときです。
異なる意見に遭遇したとき――。それは、新しい何かが生まれる前触れと言っていいかもしれません。
(朝の独り言⭐)
今日は、沖縄からの患者様の治療、神奈川からセミナー受講生の本杉さんが来院して下さいました。全国からいのうえ歯科に来て下さり、嬉しいです。