2020.10.1.

相手にどうすべきだったのかを考えさせる、、、

ミスをしたときやルールを破ってしまったとき……。故意か偶然かどうかは別として、人は「しまった!」と思うものです。
 子どもや生徒、部下がそのような失態を犯したとき、多くの大人がすること……。それが、「説教」です。
 残念ながら、その説教を1字1句しっかり聞く人もいません。おそらくあなたが親や先生、上司に説教されたときも、話は右の耳から左の耳に抜けていったはずです。その最中は、1秒でも早く話が終わるのを待ち望んでいたのではないでしょうか。
 説教するほうは、長いことよくない点を指摘し、目の前の相手が「分かりました」と神妙になって答えていたので、「次からはしっかりやってくれる」と勝手に思っています(これは、自己満足です)。幸か不幸か、その期待は、あっけなく崩れます。
 熱心に言ったにもかかわらず、子どもも生徒も部下も、また同じような失態を犯してしまいます。今度は故意ではありません。
理由は、単純。親や先生、上司の説教を聞いていなかったから……。こうした説教の不毛なやりとりは、日常茶飯事。世界中の至るところで起こっています。
なぜ説教されても子ども、生徒、部下が話を聞かないのかと言うと、ズバリ、ダメ出しをされているから。人にもよりますが、親、先生、上司は子ども、生徒、部下の欠点を1つ1つ指摘します。その比率は、99%。
自分のよくないところをビシバシ指摘するだけの話を聞く人などいません。説教をする人は、相手にダメ出しばかりしています。まるでそれをすることが義務であるかのように……。これは、親、先生、上司の完全なカン違いです。
本来の説教とは、失態を犯した人があるべき方向に向かうように導くこと。どのようにすればいいのかと言うと、なぜそんな失態を犯してしまったのか、またどうすればよかったのか、今後、どのような改善改良をすべきなのかを自分自身でじっくり考えるように持っていきます。自分の失敗談や偉人の話などを交えてもいいです。
「ダメ出しをするな」とは言いませんが、それはワン・オブ・ゼム。それよりも自分でどうすればいいかを考えるヒントをたくさん出すと、相手は話を聞いてくれます。
あなたは今日、何かをしでかした相手をあるべき方向に導きましたか。相手がどうすればいいか考えるヒントを与えましたか?