2021.12.4.

組織の歯車の1つでいい、、、

「組織に属する人は、すべて歯車の1つ」

こう言うと、自分自身を否定されているように感じる人は多いようです。「存在価値がない」と言われているような気がするから、そう思うのかもしれません。

いい/悪いは別にして、誰もが歯車の1つであることは事実です。逃れようのないことなので、憤慨したりショックを受けたりするのは、建設的なことではないです。

もっとも、この事実を否定的にとらえる人は、歯車について誤解しています。「言われたことをやるだけ」とか「馬車馬のように働く」ことの象徴として歯車をとらえているとしたら、「残念」と言わざるを得ません。

歯車は1つでも欠けたら、それが組み込まれている物体を動かすことはできません。

「目で見るのがやっと」という小さい歯車であっても、それをなくしてしまえば、どんなものでも動かすことができなくなります。

むしろ小さくなればなるほど、つくるのは大変です。その意味では、小さな歯車ほど「希少価値がある」と言えます。

唯一無二。代わりがきかない――。それが、歯車です。

組織に属する全員が歯車。これが意味するのは、すべての人が唯一無二であり、代わりがきかない存在であるということ。

1つなくなるだけで組織が回っていかなくなりますから、どんな歯車にも存在意義はしっかりあります。

歯車があって、それがきちんと回っているから、組織が回っていきます。たった1つの歯車が欠けてしまうだけで、回らなくなってしまう……。逆に言えば、それほど脆弱なのが、組織です。

歯車になることは、なんら恥ずべきことでも情けないことでもありません。与えられた持ち場でしっかり行動していけば、組織がうまく回るようになります。

また小さい/大きいに関係なく、存在感を発揮できます。あなたの代わりはほかにいないのですから、歯車であることを誇りに思えるようにさえなっていきます。

「代わりはいくらでもいる」「1人くらいいなくなっても、困らない」……

そんなことを言う人は、組織がどのように回っているのかを知らない人です。

こういう人は自分を棚に上げて言っているので、救いようがありません。自分自身が「組織に必要な人間ではない」ことを公言しているようなものです。